【矯正症例】受け口は手術なしで治る?大人のワイヤー矯正約10ヶ月の治療例|三重県鈴鹿市歯医者
「下の前歯が上の前歯より前に出ている」「受け口は手術しないと治らないの?」「大人になってからでも矯正で治せる?」とお悩みではありませんか? 受け口(反対咬合)は原因によって治療法が異なり、顎の骨格ではなく歯の位置や傾きが原因の「歯性反対咬合」であれば、外科手術を行わずにワイヤー矯正で改善を目指せる場合があります。
今回は三重県鈴鹿市の大木歯科医院で行った、右下の歯1本の抜歯とバイトアップを併用したワイヤー矯正により、約10ヶ月で噛み合わせを整えた大人の受け口の症例をご紹介します。
1. 概要
年代・性別:
50代 女性
主訴・お悩み:
「噛み合わせを治したい」「受け口が気になる」というお悩みでご来院されました。
初診時の口腔内の状態:
噛み合わせたときに、上の前歯より下の前歯が前に出ている「反対咬合(受け口)」の状態でした。上の前歯が内側に倒れ込んでおり、歯並びの乱れも見られました。

受け口(反対咬合)とは? 3つのタイプと治し方の違い
受け口(反対咬合)は、原因によって大きく以下の3つのタイプに分けられます。どのタイプかによって、矯正だけで治療できるか、外科手術の併用を検討するかが変わります。
- 歯性反対咬合:骨格に大きな問題はなく、歯の角度や位置が原因で起こる受け口。矯正治療単独で改善を目指せる場合が多いタイプです。
- 機能性反対咬合:顎の使い方の癖やズレによって、下顎が前に出た位置で噛んでしまう受け口。
- 骨格性反対咬合:下顎の骨そのものが大きく前に出ている、または上顎の成長が小さいケース。程度によっては外科手術を併用する矯正治療が検討されます。
見た目だけでタイプを判断することは難しく、レントゲンなどの精密検査で骨格と歯の状態を確認することが大切です。
2. 診断と治療方針
診断内容
精密検査の結果、本症例は「歯性反対咬合」と診断しました。受け口の原因が顎の骨格ではなく歯の位置や傾きにあったため、外科手術を行わずに矯正治療単独での改善が可能と判断いたしました。
治療法の選択
抜歯・非抜歯の両方を検討した結果、「右下の歯を1本抜歯+ワイヤー矯正」の方法を選択しました。下の歯並び全体を後ろへ下げるためのスペースを確保し、上下の噛み合わせを整えるためです。

このスペースを利用して受け口を改善していきます。
3. 治療の流れ
- 抜歯によるスペースの確保:
右下の歯を1本抜歯し、下の歯並びを後ろへ移動させるためのスペースをつくりました。 - バイトアップ(前歯のぶつかりを防ぐ処置):
受け口のままでは、上の前歯が邪魔になり下の歯を後ろへ動かすことができません。そこで上の奥歯に「バイトアップレジン」(歯科用の樹脂)を取り付け、噛み合わせを一時的に高くしました。前歯同士のぶつかりをなくすことで、歯をスムーズに動かせる状態をつくります。 - ワイヤー矯正による歯の移動:
確保したスペースを活用しながら、ワイヤー装置で下の歯並び全体を後ろへ移動させました。同時に、内側に倒れ込んでいた上の前歯の傾きを整えました。 - 顎間ゴムによる最終調整:
上下の前歯の中心(正中)を合わせるため、顎間ゴム(上下の装置にかける小さなゴム)を使用して噛み合わせの微調整を行いました。


4. 治療のこだわりポイント
- 歯を動かせる環境づくり:
歯の移動を妨げる前歯の干渉を、奥歯のバイトアップで取り除いたうえで矯正を進めました。 - 違和感への事前説明とフォロー:
バイトアップ直後は、食事のしにくさや話しづらさなどの違和感が出ることがあります。事前にご説明し、装着後もフォローを行いながら治療を進めました。 - 噛み合わせ改善後の審美治療:
矯正治療後、患者さまのご希望により、銀歯を白い被せ物へ変更し、ホワイトニングも行いました。
5. 治療結果

- 仕上がりの特徴(見た目・機能面):
約10ヶ月の治療で、上の前歯が下の前歯の前に重なる噛み合わせとなり、受け口が改善しました。前歯や口元の印象が自然になり、上下の歯が正しく噛み合うことで、前歯で食べ物を噛み切りやすい状態になりました。
6. 費用・期間・リスク
※本治療は公的医療保険適用外の自由診療です。
- 標準的な費用(税込):
- ワイヤー矯正:715,000円
- 精密検査・診断料:55,000円
- 調整料:5,500円/回
- 矯正抜歯:5,500円/本(1本)
※被せ物の変更・ホワイトニングは矯正治療とは別の自由診療で、費用は別途かかります。
- 治療期間・回数:約10ヶ月・約13回
- 主なリスク・副作用:装置装着直後の痛み、圧迫感、違和感/バイトアップ装着中の食事のしにくさ、話しづらさ/虫歯・歯周病のリスク増加/歯の移動に伴う歯根吸収・歯肉退縮/保定装置(リテーナー)の使用が少ない場合の後戻り
※効果や治療期間には個人差があります
7. まとめ
受け口(反対咬合)の治療で大切なのは、原因が「歯の位置や傾き(歯性)」なのか「顎の骨格(骨格性)」なのかを精密検査で正しく見極めることです。今回の症例は歯性反対咬合であったため、右下1本の抜歯とバイトアップを併用したワイヤー矯正により、外科手術を行わずに約10ヶ月で噛み合わせを整えることができました。
三重県鈴鹿市の歯医者、大木歯科医院では、精密検査やカウンセリングをもとに、お一人おひとりの受け口の原因に合わせた治療方法をご提案しております。「自分の受け口は矯正だけで治る?」「手術が必要か知りたい」など、どのようなご相談でもお気軽にお問い合わせください。
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なお、矯正治療の適応や治療方針は、歯並びの状態、噛み合わせ、骨格、口元のバランスなどによって異なります。本記事はあくまで一例であり、すべての方に同じ方法が適応となるわけではありません。
大木歯科医院では、noteでも症例紹介や治療のポイント、歯やお口の豆知識を発信しています。この症例の解説もnoteでご覧いただけますので、ぜひあわせてご覧ください。

Before
After
