症例紹介

矯正歯科・歯並び改善

【矯正症例】八重歯は抜かない?犬歯を残して小臼歯を抜くマウスピース矯正|三重県鈴鹿市

「飛び出した八重歯が気になる」「八重歯の周りが磨きにくくて虫歯が心配」とお悩みではありませんか? 八重歯(犬歯)は噛み合わせや歯の寿命において非常に重要な役割を持つため、当院では八重歯自体を抜くことは基本的に行いません。

今回は三重県鈴鹿市の大木歯科医院で行った、八重歯を残して小臼歯を抜歯し、マウスピース矯正で歯並びと噛み合わせを整えた症例をご紹介します。

1. 概要

年代・性別:

10代 男性

主訴・お悩み:

「八重歯が磨きにくい」「見た目が気になる」というお悩みでご来院されました。
八重歯(犬歯)の突出による磨きにくさや見た目を改善したいと、三重県鈴鹿市の大木歯科医院へご相談いただきました。

初診時の口腔内の状態

前歯のデコボコ(叢生)が強く、犬歯が歯列の外側に飛び出して八重歯になっている状態でした。

「八重歯」とは? 犬歯が飛び出してしまう理由

八重歯とは、前から3番目にある犬歯(けんし)が、歯列の外側や上方に飛び出した状態を指します。歯並びのデコボコ(叢生:そうせい)の一種で、日本では古くから親しみのある呼び方として使われてきました。

犬歯が飛び出しやすいのには理由があります。犬歯は永久歯の中でも遅い時期(おおむね10〜12歳ごろ)に生えてくるため、それまでに前歯や小臼歯が並んでスペースが残っていないと、行き場を失って外側へ押し出されてしまいます。顎の大きさに対して歯が大きい場合には、特に起こりやすくなります。

見た目の印象だけでなく、次のような影響が生じることがあります。

  • 歯磨きがしにくい:飛び出した部分に汚れが残りやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
  • 粘膜を傷つけやすい:頬や唇の内側に当たり、口内炎の原因になることがあります。
  • 噛み合わせの負担が偏る:本来、犬歯が担うはずの役割を他の歯が肩代わりし、特定の歯に力が集中しやすくなります。

2. 診断と治療方針

診断内容

顎の大きさに対して歯が大きくスペースが不足していること、永久歯の生え変わりのタイミングなどの要因により、最後に生えてくることの多い犬歯が歯列の外側へ押し出され、八重歯・叢生の状態になっていると診断しました。

抜歯部位の選択

考えられる治療法の選択肢
  1. 犬歯(八重歯)を抜歯する治療:飛び出している犬歯自体を抜く方法。
  2. 小臼歯を抜歯してスペースを作る治療:犬歯は残し、噛み合わせへの影響が比較的少ない小臼歯(前から4番目・5番目)を抜く方法。

選択した治療法とその理由

本症例では小臼歯の抜歯を選択しました。犬歯は根が長く丈夫で、顎を横に動かしたときに奥歯を守る犬歯誘導の役割や、歯並び全体の基準となる役割を担っています。機能面でも歯の寿命の面でも重要な歯であるため、健康な犬歯を抜くことは原則として行わず、小臼歯を抜歯してスペースを確保する方針としました。

装置の選択

ワイヤー矯正とマウスピース矯正のいずれも適応となる状態でしたが、患者様が治療中の装置の見た目を気にされていたため、装置が目立ちにくいマウスピース矯正を選択しました。

3. 治療の流れ

  1. 診査・診断と治療計画の説明
    精密検査を実施し、抜歯部位やマウスピースによる歯の移動計画を立案しました。
  2. 小臼歯の抜歯とマウスピース装置の装着
    上下左右の小臼歯を計4本(上2本・下2本)抜歯してスペースを作り、マウスピース矯正を開始しました。
  3. 顎間ゴム(ゴムかけ)による咬合調整
    マウスピースの装着に加え、上下の歯の位置を整えてしっかり噛み合わせるために顎間ゴムを併用しました。
  4. 保定と最終確認
    歯並びと噛み合わせを綺麗に整えた後、安定させるための保定管理を行いました。

顎間ゴムとは?

顎間ゴム(がっかんゴム)は、上下の歯にかけて使う小さな医療用のゴム(エラスティック)です。マウスピースの切り込みや、歯に付けたアタッチメント・リンガルボタンに引っ掛けて使用します。

マウスピースやワイヤーは、それぞれの歯列の中で歯を並べることを得意としていますが、上下の顎の位置関係のズレを整えるのは苦手です。そこで、上下方向に力をかけられる顎間ゴムを併用することで、歯並びだけでなく「上下でしっかり噛み合う状態」に近づけていきます。

ゴムは食事と歯磨きのとき以外に装着し、1日1回を目安に新しいものへ交換します。小さな装置ですが、噛み合わせの仕上がりを左右する大切な役割を担っています。

4. 治療のこだわりポイント

  • 価値の高い犬歯を残し「将来の歯を守る」設計
    「どの歯を抜くか」ではなく「どう守るか」という視点を重視し、土台となる大切な犬歯を残して小臼歯で負担なくスペースを確保しました。
  • 顎間ゴムによる精密な噛み合わせ調整
    見た目の歯並びだけでなく、奥歯までしっかり噛み合う状態を目指して顎間ゴムを併用しました。
  • 患者様との二人三脚による管理
    マウスピースやゴムかけの装着時間を日々守っていただく重要性をお伝えし、適切なご協力のもとで計画通りに移動を進めました。

5. 治療結果

  • 仕上がりの特徴(見た目・機能面)
    外側に飛び出していた八重歯が適切な歯列内にきれいに収まり、前歯のデコボコ(叢生)が解消されました。また、奥歯までしっかり噛める噛み合わせが完成し、歯磨きもしやすい状態へと改善しました。

6. 費用・期間・リスク

※本治療は公的医療保険適用外の自由診療です。

  • 標準的な費用(税込)
    • マウスピース矯正:880,000円
    • 診査診断料:55,000円
    • 調整料:5,500円/回(25回)
    • 矯正抜歯:5,500円/本(4本)
  • 治療期間・回数:2年6か月・25回
  • 主なリスク・副作用:痛み、圧迫感、不快感/虫歯・歯周病のリスク増加/歯の移動に伴う歯根吸収・歯肉退縮/装置による粘膜の傷/アタッチメントの脱離/マウスピースの装着時間が不足した場合の治療計画の遅延/顎間ゴムの使用時間による治療期間の延長/抜歯に伴う痛みや腫れ/保定を行わなかった場合の後戻り

※効果や治療期間には個人差があります

7. まとめ

今回の症例では、重要なお役割を持つ犬歯を残し、小臼歯を抜歯してスペースを作ることで、マウスピース矯正により八重歯と噛み合わせをきれいに整えました。装置についても、患者様が治療中の見た目を気にされていたことを踏まえ、マウスピース矯正を選択しています。矯正治療は単に「抜く・抜かない」だけで判断せず、将来にわたってお口全体の健康を守れる治療計画が大切です。

三重県鈴鹿市の大木歯科医院では、お一人おひとりの歯並びやライフスタイルに合わせた矯正治療をご提案しております。八重歯や前歯のデコボコでお悩みの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

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なお、矯正治療の適応や治療方針は、歯並びの状態、噛み合わせ、骨格、口元のバランスなどによって異なります。本記事はあくまで一例であり、すべての方に同じ方法が適応となるわけではありません。

この症例の解説はnoteでもご覧いただけます。
こちら

Before

After

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