管理栄養士ブログ

口腔機能発達不全症とは?よく噛まない・お口ポカンのサインを管理栄養士が解説

こんにちは。三重県鈴鹿市にある歯医者、大木歯科医院です。

口腔機能発達不全症とは、「食べる」「話す」「呼吸する」といったお口の機能が、年齢に対してうまく育っていない状態を指します。虫歯や歯並びのように見た目でわかるものではなく、日々の食事や会話のなかにサインが現れるのが特徴です。

2018年(平成30年)から歯科の保険診療で扱われるようになり、現在は18歳未満のお子さまが管理の対象とされています。この記事では、どのようなサインがあるのか、歯科ではどのような検査を行うのか、そして気づいたあとに何ができるのかを、当院の管理栄養士の視点をまじえてご説明します。

口腔機能発達不全症とは

お子さまのお口は、生まれてから成長とともに「吸う」から「噛む」へ、そして「飲み込む」「話す」へと役割を広げていきます。この一連の育ちのどこかでつまずきが生じ、年齢に見合った機能が十分に獲得されていない状態が口腔機能発達不全症です。

病気というより「育ちの途中でサポートが必要な状態」と考えていただくとわかりやすいかもしれません。原因も一つに限られず、お口まわりの筋肉の使い方、鼻づまり、食事の形態や環境など、複数の要素が重なっていることが多いとされています。

口腔機能発達不全症のサイン|食べる・話す・その他

確認する項目は、大きく「食べる」「話す」「その他」の3つに分けられています。ご家庭で気づきやすいサインには、次のようなものがあります。

「食べる」サイン

  • よく噛まずに丸のみしてしまう
  • 食事に時間がかかる、または極端に早く食べ終わる
  • いつも同じ側でばかり噛んでいる
  • 食べこぼしが年齢のわりに多い
  • 食べるときに音が出る、口が開いたままになる
  • 飲み込むときに舌が前に出る

食べる機能のサインは、栄養面ともつながっています。噛む回数が少ないまま飲み込む習慣が続くと、噛みごたえのある食材が食べにくく感じられ、やわらかいものに偏りやすくなります。肉や根菜、きのこ、海藻などが食卓から減ると、鉄・亜鉛・食物繊維といった成長期に必要な栄養素が不足しやすくなります。亜鉛は味覚にも関わる栄養素のため、不足すると食べられるものの幅がさらに狭くなることもあります。

また、食事中にお茶や汁物で流し込む習慣がある場合や、いすに座ったときに足が床や足台についていない場合も、噛む・飲み込むという動作がしにくくなることがあります。

「話す」サイン

  • サ行・タ行・ラ行などが言いにくい
  • 発音がはっきりせず、聞き返すことが多い

「その他」のサイン

  • 日中も口がポカンと開いていることが多い
  • 口で呼吸している、寝ているときにいびきをかく
  • 指しゃぶりや爪噛みなどの癖が続いている
  • 体重の増え方や体格が気になる

体重や体格については、その時点の数値だけで判断するものではなく、母子健康手帳などの成長曲線に沿って伸びているかという流れで確認します。

このほかに、噛む力に影響する虫歯の有無、歯の生え変わりの時期、歯並びや噛み合わせの状態、舌の裏側のすじ(舌小帯)の状態など、歯科医師・歯科衛生士による診査が必要な項目もあります。

早期に気づくと何が変わるのか|歯並び・栄養への影響

お口の機能は、歯並びや栄養、成長とゆるやかにつながっています。たとえば口を閉じる力が弱い状態が続くと、唇が歯を内側に抑える力と、舌が外側に押し出す力のバランスが崩れ、歯並びに影響することがあるとされています。

また、噛む力が育ちにくいと食べられる食材が限られやすく、結果として栄養のかたよりにつながることもあります。学童期から思春期にかけては、体の成長にあわせて鉄などの必要量が増える時期でもあり、食べられるものの幅は栄養面にも関わってきます。反対に、機能が育つ時期にあわせて食事の形態や環境を整えることで、無理のない範囲で改善が期待できる場合もあります。

歯科で行う検査|口唇閉鎖力検査と舌圧検査

問診とチェックリストによる確認に加えて、お口の機能を数値で確認する検査を行います。代表的なものが口唇閉鎖力検査と舌圧検査です。

検査口唇閉鎖力検査舌圧検査
調べるもの唇を閉じる力の強さ舌が上あごを押す力の強さ
使う機器リットレメーターなど舌圧測定器
主に関係するサインお口ポカン、口呼吸、食べこぼし丸のみ、飲み込みにくさ、発音
所要時間の目安数分程度数分程度
痛みの有無痛みを伴う検査ではありません痛みを伴う検査ではありません

当院では口唇閉鎖力検査を実施しております。口唇閉鎖力検査は、リットレメーターという器具を用いて管理栄養士が測定し、お口の機能と毎日の食事の両面からご様子をうかがう形をとっております。

よくある質問

Q. 何歳から相談できますか?

離乳が完了していないお子さまについては哺乳や離乳の進み方を中心に、離乳完了後のお子さまについては食べる・話す機能を中心に確認する形になり、いずれの時期でもご相談いただけます。保険での管理の対象は18歳未満のお子さまとされています。

Q. 検査は痛くありませんか?

口唇閉鎖力検査も舌圧検査も、器具を軽くくわえたり押したりしていただくもので、歯を削る・針を使うといった処置は行いません。多くのお子さまが数分で終えられる内容です。初めてで不安がある場合は、先に器具を見て触っていただくこともできます。

Q. 様子を見ていれば自然に良くなりますか?

成長とともに改善していく場合もあります。一方で、鼻づまりや癖など背景に理由がある場合は、そこに対応しないと変わりにくいこともあります。まずは何が影響しているのかを確認したうえで、経過を見る・働きかけるを判断するのが安心です。

Q. 歯並びの矯正治療とは別のものですか?

別の枠組みですが、関連はあります。お口の機能は歯並びの土台に関わるため、機能への働きかけと矯正治療を並行して考えることもあります。

まとめ

口腔機能発達不全症は、食べる・話す・呼吸するといったお口の機能が年齢に対して十分に育っていない状態を指します。日本歯科医学会の様式にもとづくチェック項目と、口唇閉鎖力検査・舌圧検査などで確認し、18歳未満のお子さまは保険での管理の対象とされています。

ご家庭で気づけるサインは決して特別なものではなく、毎日の食事や会話のなかにあります。気になる点があれば、定期検診のついででかまいませんので、お気軽にお声がけいただければと思います。

大木歯科医院では、各種検査やカウンセリングをもとに、患者さまお一人おひとりに合わせたご提案と、丁寧でわかりやすいご説明を心がけております。当院には常勤の管理栄養士が在籍しており、お口の機能と食事の両面からご相談を承っております。「子どもの食べ方が気になる」「口腔機能の検査について聞きたい」など、どのようなご相談でも承っております。

ご予約・お問い合わせは、お電話またはWEB予約フォームより承っております。まずはお気軽にご相談ください。

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