9月1日は防災の日|備蓄食品は何をそろえる?栄養バランスの整え方を管理栄養士が解説
こんにちは!三重県にある大木歯科医院の管理栄養士、脇です。
9月1日は「防災の日」です。
災害後の食事は炭水化物に偏りやすく、たんぱく質やビタミン、食物繊維が不足しがちです。栄養バランスが崩れた状態が続くと、便秘や口内炎といった不調があらわれ、体力の低下にもつながります。
今回は、備蓄食品の選び方と無理なく備えを続けるコツを、歯科の管理栄養士の視点からご紹介します!
9月1日「防災の日」とは
防災の日は、1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災にちなんで制定されました。台風の被害が増える時期にもあたることから、地震・台風・豪雨など、さまざまな災害への備えを見直す日とされています。
災害はいつ起こるか分かりません。だからこそ、普段から「もしも」を想定して準備を整えておくことが大切です。
大木歯科医院には津波避難タワーがあります
地震調査研究推進本部によると、南海トラフ地震が今後30年以内に発生する確率は60〜90%程度以上と評価されています。大木歯科医院(鈴鹿)は海岸線から約300mの場所にあり、大規模地震の際には1〜2mの津波による浸水が想定されている地域です。そのため、患者さまと近隣にお住まいの皆さまが速やかに避難できるよう、駐車場の後方に津波避難タワーを建設しました。
- 高さ:約7.5m
- 面積:126㎡
- 収容人数:約120名
災害が起きた際は、患者さまだけでなく近隣の皆さまにもご利用いただけます。日頃から「いざというときはあの場所へ」と、避難先の一つとして覚えておいてくださいね!

津波避難タワーについて、こちらの記事で動画とあわせてご紹介しています。あわせてご覧ください。
▶︎津波災害への備え
災害時の食事で起こりやすい栄養の偏り
災害の直後は、おにぎり、パン、カップ麺、乾パンなど、すぐに食べられる炭水化物が中心になりやすい傾向があります。炭水化物はエネルギー源として欠かせませんが、そればかりが続くと栄養不足で、体調を崩しやすくなります。
避難生活で不足しやすい栄養素と、起こりやすい不調は次のとおりです。
- たんぱく質の不足:体力や筋肉の維持がしにくくなる
- ビタミン・ミネラルの不足:口内炎や肌荒れ、疲れやすさにつながる
- 食物繊維・水分の不足:便秘を起こしやすくなる
特に口内炎は、食べることそのものがつらくなり、さらに食事量が減るという悪循環につながることがあります。「主食だけにしない」という意識が、災害時の体調を守るうえで大切です。
備蓄食品の選び方|主食・主菜・副菜をそろえる
備蓄食品は、普段の食事と同じように「主食・主菜・副菜」をそろえて考えると、栄養バランスが整いやすくなります。農林水産省の「災害時に備えた食品ストックガイド」でも、この組み合わせを意識した備蓄がすすめられています。
たんぱく質を手軽に補うには、ツナやサバ、コンビーフ、焼き鳥などの缶詰が便利です。長期保存ができるうえ、そのまま食べられるものが多く、火や水が使えない状況でも役立ちます。
野菜が不足しやすい点にも注意が必要です。乾物や野菜ジュース、ドライフルーツを組み合わせておくと、ビタミンやミネラル、食物繊維を補いやすくなります。

ローリングストックで無理なく備える
災害発生から、最低3日分〜1週間分×人数分の食品を家庭で備蓄しておくことが望ましいとされています。飲料水は、飲用と調理用をあわせて1人1日3Lが目安です。
とはいえ、非常食をまとめて買い込んで押し入れにしまい込むと、気づいたときには賞味期限が切れていた、ということが起こりがちです。そこでおすすめしたいのが「ローリングストック」という考え方です。
- 普段から食べている食品を少し多めに買っておく
- 古いものから食べる
- 食べた分だけ買い足す

この繰り返しで、常に一定量の備蓄が保たれます。食品の備蓄を非日常のものと考えるのではなく、日常の一部として無理なく取り入れていくことが大切です。
また、好みの味の缶詰やレトルト食品を選んでおくと、災害時でもおいしく食事ができます。食べ慣れた味は、不安の大きい状況で気持ちをやわらげてくれる面もあります。
ご高齢の方・お子さまがいるご家庭で気をつけたいこと
噛む力や飲み込む力が弱くなっている方にとって、硬い食品や水分の少ない食品は負担になります。乾パンや硬い菓子だけでは食事が進まず、食欲の低下につながることもあります。
備蓄したいおすすめの食品
- レトルトのおかゆ、やわらかく煮た惣菜のレトルト食品
- ゼリー飲料、栄養補助食品(少量でエネルギーとたんぱく質を補えます)
- とろみ調整食品(普段から使用されている場合は必ず備えておきたい品目です)
入れ歯をお使いの方は、避難時に義歯ケースを持ち出せるよう、非常用の袋にまとめておくと安心です。入れ歯が使えないと食べられるものが限られ、栄養状態の低下につながります。
乳幼児がいるご家庭では、離乳食や普段お使いのミルク、使い慣れたスプーンやコップの備えもご確認ください。アレルギーをお持ちのお子さまがいる場合は、支援物資では対応が難しいことがあるため、ご家庭での備蓄が特に重要になります。
まとめ
防災の日にあたり、管理栄養士の視点から備蓄食品の選び方についてご紹介しました。
備蓄の見直しは、思い立ったときが始めどきです。今日の買い物で缶詰を1つ多めに、次の買い物では野菜ジュースを1本。こうした工夫を少しずつ取り入れ、毎日の暮らしの中で、無理なく続けていきましょう!
災害時の食事は栄養が偏りやすく、ご自身では気付かないうちに体調の変化があらわれていることもあります。大木歯科医院には常勤の管理栄養士が在籍していますので、備蓄食品の選び方はもちろん、日頃のお食事や栄養バランスについても、気になることがありましたらどうぞお気軽にご相談ください!
参考文献:農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」/地震調査研究推進本部「南海トラフの地震活動の長期評価」