管理栄養士ブログ

口腔機能発達不全症のチェックリスト|18項目と家庭で気づけるサイン

こんにちは。三重県鈴鹿市にある歯医者、大木歯科医院です。

口腔機能発達不全症は、日本歯科医学会が示すチェックリストにもとづいて確認します。離乳が完了したお子さまの場合、確認するのはC-1〜C-18の18項目で、これに口唇閉鎖力検査と舌圧検査の数値を加えた形になっています(令和6年3月改訂版)。

この記事では、その項目を「食べる」「話す」「その他」の3つの機能に分け、ご家庭で気づける形に整理してご紹介します。あわせて、当院の管理栄養士の視点から、食事の様子や体格の見方についてもご説明します。項目の中には歯科医師・歯科衛生士による診査が必要なものも含まれますので、あくまで「気づきのきっかけ」としてご覧いただければと思います。

口腔機能発達不全症そのものについては、こちらの記事をご参照ください。

口腔機能発達不全症とは?よく噛まない・お口ポカンのサインを管理栄養士が解説

口腔機能発達不全症チェックリストとは

18の項目は、食べる機能・話す機能・その他の機能という3つの視点で構成されています。それぞれの項目について該当するかどうかを確認し、該当した項目の内容と数から判断します。

診断の目安は、「食べる機能」「話す機能」の項目のうち2つ以上に該当し、その中に「噛む機能(咀嚼機能:C-1〜C-6)」の項目が1つ以上含まれる場合です。「その他の機能」の項目はこの数には含めず、お子さまの状態を把握し、管理の内容を考えるための材料として扱います。単に数を数えるのではなく、どの機能に関わる項目なのかが重要になります。

区分 主な確認内容 項目
食べる機能 歯の生え方、噛み合わせ、噛む力に影響する虫歯、噛みしめる力、噛む時間、片側噛み(以上が咀嚼機能)/飲み込み方/食べる量・回数 C-1〜
C-8
話す機能 発音、唇の閉じ方(お口ぽかん)、指しゃぶりなどの癖、舌の裏側のすじ(舌小帯) C-9〜
C-12
その他の機能 体格(やせ・肥満)、口呼吸、扁桃の大きさ、いびき、舌の力(舌圧)、その他 C-13〜C-18

食べる機能に関するサイン

ご家庭で最も気づきやすいのが、この領域です。毎日の食事の様子を思い浮かべながらご確認ください。

  • よく噛まずに丸のみしている(噛む回数が5回未満、飲み込むまで5秒未満が目安)
  • 一口を飲み込むまでに時間がかかる(口に入れてから概ね1分以上が目安)
  • いつも決まった側だけで噛んでいる
  • 飲み込むときに舌が前に出る
  • 食べる量や回数が多すぎる・少なすぎる、日によってムラが大きい

このほか、歯の生え方に遅れがないか、機能的な原因による歯並び・噛み合わせの問題がないか、噛むことに影響する虫歯や歯の欠けがないか、奥歯でしっかり噛みしめられるか(頬の筋肉に触れて確認します)といった点は、歯科での診査が必要な項目にあたります。

また、チェックリストの項目そのものではありませんが、「水やお茶で流し込むように食べる」「食べこぼしが多い」「口を開けたまま食べる・くちゃくちゃと音を立てて食べる」「やわらかいものばかり好む」といった様子は、噛む力や唇を閉じる力の育ちと関わっていることがあり、気づきのきっかけになります。

管理栄養士が見る「食べ方」の確認ポイント

食べる機能は、ふだんの食事のなかで観察するのがいちばん確実です。

  1. 一口の量と噛む時間
    一度に口に入れる量が多いと、噛み切れないまま飲み込みやすくなります。ご家庭では、前歯でかじり取って一口の量を自分で調整できているか、一口ごとにどのくらい噛んで飲み込んでいるかを、数回の食事で見ていただくと傾向がつかめます。
  2. 飲み物で流し込んでいないか
    噛む途中で飲み物を口にする習慣があると、十分に噛まずに飲み込む食べ方が身につきやすくなります。食事中に飲み物を口にするタイミングも、確認のポイントになります。
  3. 食べる姿勢
    足が床や足台につかない姿勢では、体が安定せず、噛む力が入りにくくなります。椅子の高さや足元の環境も、食べ方に影響する要素のひとつと考えております。

話す機能に関するサイン

  • サ行・タ行・ラ行など、特定の音が言いにくい、家族以外に聞き返されることが多い
  • 話すときに舌が歯の間から出る
  • ふだんから唇が閉じず、口がぽかんと開いていることが多い
  • 指しゃぶり、爪噛み、唇を噛む、舌を前に出すなどの癖が続いている

唇や舌は発音にも使われるため、チェックリストでは「お口ぽかん」や口の癖も話す機能の項目に含まれています。発音は成長とともに整っていく面もあり、チェックリストでも5歳以降に判断する項目とされています。舌の裏側のすじ(舌小帯)が短く、舌の動きが制限されている場合もあり、こちらは歯科での確認が必要な項目です。

その他の機能に関するサイン

  • 鼻づまりがないのに、口で呼吸していることが多い
  • 鼻づまりがないのに、寝ているときにいびきをかくことが多い
  • 体重の増え方や体格が、年齢の目安から離れている

このほか、扁桃(のどの奥の左右にあるふくらみ)の大きさや、舌の力(舌圧)の弱さは、歯科で確認・測定する項目です。

なお、口呼吸といびきの項目は、いずれも「鼻づまりがない状態で」みられることが条件です。鼻炎などで慢性的に鼻がつまっている場合は、まず耳鼻咽喉科での確認が優先されることもあります。

体格の見方

チェックリストでは、体格を次の指数で確認します。いずれも身長と体重から計算できます。

対象 計算式 チェックの目安
乳幼児(カウプ指数) 体重(g)÷身長(cm)÷身長(cm)×10 15未満(やせぎみ)または22以上(肥満)
学童(ローレル指数) 体重(kg)÷身長(cm)³×10,000,000 100未満(やせぎみ)または160以上(肥満)

たとえば身長100cm・体重16kgのお子さまであれば、カウプ指数は16となり、目安の範囲内です。

ただし、1回の計算結果だけで判断するのではなく、母子健康手帳の成長曲線に身長・体重を記入し、カーブに沿って伸びているかを確認することが大切です。食べる量のムラや偏食、丸のみ・早食いは、体重の増え方にも表れることがあります。体格が目安から外れている場合は、食べ方とあわせて食事内容を見直すことが、管理の一部になります。

いくつ当てはまったら相談すべきか

前述のとおり、「食べる機能」「話す機能」の項目のうち2つ以上に該当し、その中に噛む機能(C-1〜C-6)の項目が含まれる場合が、診断の目安とされています。ただしこれは診断の基準であり、相談するかどうかの基準ではありません。

1つだけ当てはまる場合でも、ご家族が気になっているのであれば確認しておく意味は十分にあります。反対に、複数当てはまっていても成長の一時的な段階であることもあります。口唇閉鎖力や舌圧の数値も、1回の測定ではなく成長に沿った変化を見ていくものです。数だけで不安になりすぎず、専門的な診査とあわせて判断していただければと思います。

まとめ

口腔機能発達不全症のチェックリストは、食べる・話す・その他の3つの視点から18の項目で構成されています。「食べる機能」「話す機能」の項目のうち、噛む機能を含む2項目以上に該当する場合が診断の目安とされています。

ご家庭で気づけるサインの多くは、毎日の食事や寝ている間の様子のなかにあります。気になる項目があれば、定期検診の機会にお声がけいただければ、その場で確認いたします。

三重県鈴鹿市にある歯医者、大木歯科医院では、各種検査やカウンセリングをもとに患者さまお一人おひとりに合わせたご提案と丁寧でわかりやすいご説明を心がけております。当院には常勤の管理栄養士が在籍しており、お口の機能と食事の両面からご相談を承っております。「チェックリストで気になる項目があった」「子どもの食べ方を相談したい」など、どのようなご相談でも承っております。

ご予約・お問い合わせは、お電話またはWEB予約フォームより承っております。まずはお気軽にご相談ください。

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参考文献

日本歯科医学会「口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方」(令和6年3月)

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