【矯正症例】前歯のでこぼこ(叢生)をワイヤー矯正とアンカースクリューで改善|三重県鈴鹿市歯医者
「前歯のでこぼこ(ガタガタ)が気になる」「前歯が重なっていて八重歯も目立つ」「矯正したいけれど、抜歯が必要なのか不安」
歯がでこぼこに重なって生えている状態は、叢生(そうせい)と呼ばれ、「ガタガタの歯並び」とも言われます。見た目が気になるだけでなく、歯みがきがしにくく汚れがたまりやすいため、虫歯や歯周病のリスクが高まりやすい状態です。
今回は三重県鈴鹿市の歯医者、大木歯科医院で行った、抜歯とアンカースクリュー、バイトターボを併用したワイヤー矯正で、約1年8ヶ月かけて前歯のでこぼこを改善した30代女性の症例をご紹介します。
1. 概要
- 年代・性別:30代、女性
- 主訴・お悩み:「前歯のでこぼこが気になる」
- 初診時の口腔内状態:前歯が重なり合って生えている叢生の状態で、上の犬歯が外側に飛び出した八重歯のような状態でした。また、噛み合わせがやや深い過蓋咬合(かがいこうごう)気味で、「イーッ」と噛んだときに下の前歯が上の前歯に隠れる状態でした。

2. 診断と治療方針
診断内容
精密検査の結果、歯を正しい位置に並べるためのスペースが顎の中に不足していることによる叢生と診断しました。あわせて、噛み合わせがやや深く、そのままでは下の歯に矯正装置(ブラケット)を装着できない状態でした。
叢生をそのままにしておくと、歯みがきがしにくいことによる虫歯・歯周病のリスクに加え、一部の歯に噛む力が偏り、将来的に歯や顎に負担がかかる可能性があります。
選択した治療法とその理由
今回のケースでは、歯を並べるためのスペースが大きく不足していたため、上の左右の小臼歯2本を抜歯する計画としました。あわせて、将来的に歯並びに悪影響を及ぼす可能性のある上の親知らず2本も抜歯しています。
- 選択理由:「抜くか・抜かないか」ではなく、「長期的に安定した噛み合わせと口元のバランスをどう実現するか」という視点で判断したため
- 補助装置:外側に飛び出した犬歯を正確に動かすためにアンカースクリュー(インプラントアンカー)を、深い噛み合わせに対応するためにバイトターボを併用しました。
アンカースクリューとは?
歯ぐきの骨に埋め込む小さな医療用のネジで、歯を動かす際の「固定源(アンカー)」として使用します。従来のワイヤー矯正では、他の歯を支えにして歯を引っ張るため、支えにした歯も意図せず動いてしまうことがありました。アンカースクリューを使うことで、動かしたい歯を狙った方向へ動かしやすくなります。埋め込む際は麻酔をしてから行うため、処置中の痛みを抑えられます。治療後は取り外し、跡もほとんど残りません。
バイトターボとは?
前歯または奥歯の噛む面に取り付ける小さな突起で、噛み合わせの高さを一時的に引き上げる装置です。噛み合わせが深い場合に使用し、下の前歯にも矯正装置を装着できるようにします。
3. 治療の流れ
- 精密検査・治療計画の説明:検査結果をもとに、抜歯の必要性や補助装置の役割、治療のリスクをご説明しました。
- 抜歯:上の左右の小臼歯2本と、上の親知らず2本を抜歯しました。
- ワイヤー矯正の開始:歯にブラケットとワイヤーを装着しました。
- アンカースクリューの設置:上顎にアンカースクリューを設置し、ゴムの力で外側に飛び出していた犬歯を正しい位置まで引き戻しました。
- バイトターボの装着:噛み合わせの高さを一時的に上げ、下の前歯にも矯正装置を装着しました。
- 仕上げ・保定:歯並びと噛み合わせの深さを微調整し、装置を外したあとは保定装置(リテーナー)で歯並びを安定させます。
- 治療期間:約1年8ヶ月、通院回数は約24回でした。

4. 治療のこだわりポイント
- 長期的な安定を見据えた抜歯の判断
非抜歯を前提にするのではなく、スペースの不足量と口元のバランス、将来の安定性を総合的に見て、抜歯を含めた治療計画を立てました。 - アンカースクリューによる精密な歯の移動
支えにした歯が動いてしまうことを防ぎ、外側に飛び出していた犬歯を狙った位置まで引き戻すため、アンカースクリューを固定源として活用しました。 - 噛み合わせの深さもあわせて改善
バイトターボで噛み合わせの高さを確保し、歯並びを整えながら噛み合わせの深さも少しずつ調整しました。
5. 治療結果

- 見た目の変化:前歯のでこぼこが解消し、外側に飛び出していた犬歯も正しい位置に並びました。
- 機能面の変化:深めだった噛み合わせが調整され、歯並びが整ったことで歯みがきもしやすい状態になりました。
6. 費用・期間・リスク
費用(税込)
- 費用
・ワイヤー矯正:770,000円
・診査診断料:55,000円
・調整料:5,500円/回
・抜歯:5,500円/本
・アンカースクリュー:55,000円 - 治療期間・通院回数:約1年8ヶ月・約24回
- 主なリスク・副作用
装置の装着初期や調整後の痛み・圧迫感・不快感/虫歯や歯周病のリスクの上昇/歯の移動に伴う歯根吸収(歯の根が短くなること)や歯肉退縮(歯ぐきが下がること)/装置による粘膜の傷/アンカースクリューの脱落/保定装置(リテーナー)を使用しない場合の後戻り
※本治療は公的医療保険が適用されない自由診療です。治療効果や期間には個人差があります。
7. まとめ
前歯のでこぼこ(叢生)の治療では、歯を並べるスペースがどれくらい不足しているかによって、非抜歯で治療できるケースもあれば、今回のように抜歯が必要なケースもあります。
今回の症例では、スペースが大きく不足していたため上の左右の小臼歯2本と上の親知らず2本を抜歯し、アンカースクリューとバイトターボを併用したワイヤー矯正で、約1年8ヶ月かけて前歯のでこぼこと噛み合わせの深さを改善しました。
三重県鈴鹿市・四日市市で、前歯のでこぼこや八重歯、ガタガタの歯並び、矯正での抜歯の必要性にお悩みの方は、大木歯科医院までご相談ください。
なお、矯正治療の適応や治療方針は、歯並びの状態、噛み合わせ、骨格、口元のバランス、親知らずの位置などによって異なります。本記事はあくまで一例であり、すべての方に同じ方法が適応となるわけではありません。
大木歯科医院では、noteでも症例紹介や治療のポイント、歯やお口の豆知識を発信しています。この症例の解説もnoteでご覧いただけますので、ぜひあわせてご覧ください。

Before
After
