【矯正症例】前歯のすき間(正中離開)をマウスピース矯正で改善|三重県鈴鹿市歯医者
「前歯のすき間が気になる」「すきっ歯を治したいけれど、大人になってからでも矯正できる?」「歯を削らずに治す方法はある?」
上の前歯の中央にすき間がある状態は、正中離開(せいちゅうりかい)と呼ばれ、「すきっ歯」とも言われます。見た目だけでなく、サ行・タ行の発音や、食べ物の詰まりやすさに影響することもあります。
今回は三重県鈴鹿市の歯医者、大木歯科医院で行った、歯を削らずにすきっ歯を治すための治療として、マウスピース矯正と顎間ゴム(ゴムかけ)を組み合わせ、約1年10ヶ月で前歯のすき間を閉じた40代女性の症例をご紹介します。
1. 概要
- 年代・性別:40代 女性
- 主訴・お悩み:「前歯のすき間が気になる」
- 初診時の口腔内状態:歯並びは全体的に整って見えるものの、上の前歯の中央にすき間がある正中離開の状態でした。

2. 診断と治療方針
診断内容
精密検査(レントゲン・口腔内写真など)の結果、正中離開と診断しました。正中離開の主な原因には、次のようなものがあります。
- 上唇小帯(じょうしんしょうたい)の付着異常:上唇と歯ぐきをつなぐひだが太く、前歯の間に入り込んでいる
- 過剰歯:余分な歯が骨の中に埋まっている
- 歯と顎の大きさの不調和:顎の大きさに対して歯が小さい
- 舌癖:舌で前歯を押す癖がある
- 歯周病による歯の移動
すき間をそのままにしておくと、発音への影響や食べ物の詰まりやすさに加え、将来的な歯並びの変化につながる可能性もあるため、見た目と機能の両面から診断することが大切だと考えています。
考えられる治療法(すきっ歯は被せ物と矯正どちらで治す?)
すきっ歯の治し方には、主に次の2つの方法があります。
- 被せ物・詰め物ですき間を埋める方法:歯の表面を一部削り、レジン(樹脂)やセラミックですき間を埋めます。短期間・少ない通院回数で見た目を整えられる一方、健康な歯を削る必要があり、噛み合わせそのものは改善できません。すき間が大きい場合は不自然な仕上がりになることもあります。
- 矯正治療で歯を動かしてすき間を閉じる方法:ワイヤー矯正やマウスピース矯正で歯を少しずつ動かします。歯を削らずに、前歯だけでなく全体の歯並びと噛み合わせを整えられ、長期的に安定しやすい方法です。一方で、数ヶ月〜数年の治療期間がかかり、費用は被せ物より高くなる傾向があります。
選択した治療法とその理由
この患者様は、どちらの方法も選択できる状態でした。そのうえで「せっかくなら全体的にきれいにしたい」というご希望があったため、マウスピース矯正を選択し、補助として顎間ゴム(ゴムかけ)を併用する計画としました。
- 選択理由:すき間を埋めるだけでなく、歯を削らずに全体の歯並びと噛み合わせのバランスを整えられるため
大人の矯正治療では、歯ぐきや歯を支える骨の状態も確認しながら計画を立てることが大切だと考えています。今回も精密検査の結果を踏まえ、40代からの矯正治療として無理のない計画で進めました。
顎間ゴム(ゴムかけ)とは?
上下の歯に小さなゴムをかけ、上下の歯を引き寄せる力を加える方法です。マウスピースだけでは整えにくい上下の噛み合わせを、細かく調整する役割を担います。
3. 治療の流れ
- 精密検査・治療計画の説明:レントゲンや口腔内写真をもとに、治療方針とリスクをご説明しました。
- マウスピース矯正の開始:下の歯列を後方へ移動させ、そのスペースを利用して上の前歯のすき間を閉じていきました。
- 顎間ゴムの併用:上下の歯に顎間ゴムをかけ、噛み合わせを細かく調整しました。
- 被せ物のやりかえ:矯正治療の終了後、前歯の被せ物を保険診療のCAD/CAM冠でやりかえ、形を整えました。
- 治療期間:すきっ歯の矯正にかかった期間は約1年10ヶ月、通院回数は16回でした。

4. 治療のこだわりポイント
- 前歯だけでなく全体のバランスを見た歯の移動
すき間だけを閉じるのではなく、下の歯列を後方へ移動させてスペースをつくり、上下の噛み合わせとのバランスを見ながら前歯のすき間を閉じました。 - 矯正後の被せ物で「形」まで整える審美的配慮
口元の見た目を整えるには、歯の位置だけでなく、歯の形とのバランスも大切だと考えています。歯の位置は矯正治療で整え、矯正後に前歯の被せ物をやりかえて形態を修正することで、より自然な口元に仕上げました。
5. 治療結果

- 見た目の変化:前歯中央のすき間が閉じ、歯の位置と形のバランスが整った自然な口元になりました。
- 機能面の変化:上下の噛み合わせが整い、前歯のすき間に食べ物が挟まりにくく、歯みがきなどのお手入れもしやすい状態になりました。
6. 費用・期間・リスク
費用(税込)
- 費用
・マウスピース矯正:880,000円
・精密検査・診断料:55,000円
・調整料:5,500円/回
・※矯正後の被せ物のやりかえ(CAD/CAM冠)は保険診療で行いました - 治療期間・通院回数:約1年10ヶ月・16回
- 主なリスク・副作用
装置の装着初期や調整後の痛み・圧迫感・不快感/虫歯や歯周病のリスクの上昇/歯の移動に伴う歯根吸収(歯の根が短くなること)や歯肉退縮(歯ぐきが下がること)/保定装置(リテーナー)を使用しない場合の後戻り
※本治療は公的医療保険が適用されない自由診療です。治療効果や期間には個人差があります。
7. まとめ
前歯のすき間(正中離開)の治療には、短期間で見た目を整える「被せ物」と、歯を削らずに根本から改善する「矯正治療」という選択肢があります。どちらにもメリット・デメリットがあり、適した方法は患者様ごとに異なります。
大人になってからのすきっ歯も、矯正治療で歯を削らずに改善を目指せる場合があります。今回の症例では、全体的にきれいにしたいというご希望を踏まえ、マウスピース矯正と顎間ゴムで前歯のすき間を閉じ、矯正後に被せ物をやりかえることで、歯の位置と形のバランスを整えました。
三重県鈴鹿市・四日市市で、前歯のすき間やすきっ歯を治したい方、マウスピース矯正の費用や期間が気になる方は、大木歯科医院までご相談ください。
なお、矯正治療の適応や治療方針は、歯並びの状態、噛み合わせ、骨格、口元のバランスなどによって異なります。本記事はあくまで一例であり、すべての方に同じ方法が適応となるわけではありません。
大木歯科医院では、noteでも症例紹介や治療のポイント、歯やお口の豆知識を発信しています。この症例の解説もnoteでご覧いただけますので、ぜひあわせてご覧ください。

Before
After
