外れない総入れ歯(IOD)とは?外れない入れ歯の仕組みとメリットを解説
こんにちは。三重県鈴鹿市にある歯医者 大木歯科医院 です。
インプラントオーバーデンチャー(Implant Over Denture、以下 IOD)は、あごの骨に2〜6本のインプラントを埋入し、その上に取り外し式の入れ歯を装着する治療法です。インプラントを土台とすることで入れ歯が安定し、従来の総入れ歯で生じやすい「外れる」「噛みにくい」「痛みが出る」といったお悩みを大きく改善できる可能性があります。
総入れ歯の使用に不便を感じている方や、より安定した入れ歯をご検討中の方に向けて、今回は、IODの仕組みや入れ歯・インプラントとの違い、メリット・デメリット、適している方について解説します。
IOD(インプラントオーバーデンチャー)とは?
IOD(インプラントオーバーデンチャー)とは、「入れ歯」と「インプラント」の中間に位置する治療法です。少ない本数のインプラントで入れ歯を支えることで、両者の長所をバランスよく取り入れています。
従来の入れ歯とインプラントの特徴
入れ歯は、外科手術が不要で比較的短期間に作製できる一方、装着が不安定で噛む力が弱くなりやすい傾向があります。
インプラントは、しっかりと固定でき天然歯に近い噛み心地が得られますが、本数が多くなるほど手術の負担や費用も大きくなります。
IODは、これらの中間に位置する治療法として、近年多くの患者さまにお選びいただいています。
IODの仕組み
あごの骨に2〜6本のインプラントを埋入し、その上に取り外し式の入れ歯を装着します。入れ歯は、ボタン状のアタッチメントで固定するタイプや、バー(連結装置)で支えるタイプなど、症例に応じた方法で安定させます。
これにより、従来の入れ歯のように動くことが少なくなり、しっかり噛める状態を取り戻すことが期待できます。当院では、必要最小限のインプラント本数で最大限の安定性を得ることを重視しています。
アタッチメントとは?
アタッチメントとは、インプラントと入れ歯をつなぐための「連結装置」です。
インプラントの上に取り付けられ、入れ歯側としっかりかみ合うことで固定力を生み出します。
イメージとしては、「ボタン」や「マグネット」のように、カチッとはめて固定する仕組みです。
IODに必要なインプラントの本数については、「IODに必要なインプラントの本数」の記事をご参照ください。
また、治療の流れの詳細は「IODの治療の流れ」の記事で解説しています。

IODと入れ歯&インプラントとの違い
IOD・入れ歯・インプラントは、見た目に共通する部分もありますが、安定の仕組みや治療の負担に大きな違いがあります。項目別に整理しました。

入れ歯と比較
IODと入れ歯は、見た目は似ていますが「安定の仕組み」が大きく異なります。
通常の入れ歯は、歯ぐきの上に乗せているだけの状態です。歯ぐきと粘膜の吸着によって支えられているため、食事中にズレたり、会話の際に外れそうになったりすることがあります。また、入れ歯が動くことで歯ぐきに負担がかかり、痛みや違和感につながるケースも少なくありません。
一方、IODは、顎の骨に埋め込んだインプラントを土台として入れ歯を支える治療法です。入れ歯自体は取り外し式ですが、インプラントによってしっかりと安定するため、ズレや外れを大きく防ぐことができます。
この違いにより、日常生活で感じる快適さに大きな差が生まれます。
入れ歯の特徴
- 歯ぐきの上に乗せて支える
- 食事中にズレやすい
- 会話中に外れる不安がある
- 痛みや違和感が出やすい
- 手術が不要で始めやすい
IODと総入れ歯の違いをより詳しく知りたい方は、「IODと総入れ歯の違い」の記事をご参照ください。
インプラントと比較
IODとインプラントは、どちらもインプラントを使用する治療ですが、「治療の考え方」と「仕上がり」が大きく異なります。
一般的なインプラント治療は、失った歯を1本ずつ人工歯で補う方法です。顎の骨にインプラントを埋め込み、その上に固定式の歯を装着するため、自分の歯のようにしっかり噛めるのが特徴です。
一方で、歯の本数が多く失われている場合には、それに応じて多くのインプラントが必要になり、手術の負担や費用が大きくなる傾向があります。
IODは、少ない本数のインプラントを「支え」として利用し、その上に入れ歯を装着する治療法です。
すべての歯をインプラントで再現するのではなく、入れ歯を安定させることを目的としているため、身体的・経済的な負担を抑えながら、噛みやすさを改善することができます。
この違いにより、治療の負担や日常生活での使い心地に差が生まれます。
インプラントの特徴
- 歯を1本ずつ固定式で再現する
- 自分の歯に近い見た目と噛み心地
- 多くの本数が必要になる場合がある
- 手術の負担や費用が大きくなりやすい
どの治療が自分に合っている?
入れ歯・インプラントオーバーデンチャー・インプラントは、それぞれ目的や特徴が異なる治療法です。そのため、「どれが一番優れているか」ではなく、「どれがご自身に合っているか」で考えることが重要です。一般的な目安としては、
- 外科処置を避け、負担を抑えたい方 → 入れ歯
- 入れ歯の不安定さを改善し、快適性を高めたい方 → IOD
- しっかり固定され、天然歯に近い噛み心地を求める方 → インプラント
ただし、実際には骨の量や健康状態、ライフスタイルによって最適な治療は変わります。
そのため、自己判断だけで決めるのではなく、専門的な診断を受けたうえで、ご自身に合った治療を選ぶことが大切です。
IODのメリット
IODの大きなメリットは、入れ歯の弱点を大きく改善できる点です。
IODのメリットの詳細は、「IODのメリット」の記事をご参照ください。
1.外れにくく安定している
インプラントによって支えられるため、食事や会話中でもズレにくくなります。
特に、下あごの入れ歯が外れやすいというお悩みをお持ちの方は、改善が期待できる治療法です。
2.噛む力が回復する
総入れ歯の噛む力は天然歯の約20〜30%程度とされていますが、IODでは約30〜50%まで回復できるとされています。硬い食材や繊維質のある食材も、比較的不自由なく召し上がっていただけるようになります。
IODでの食事に関する詳細は、「IODでの食事」の記事をご参照ください。
3.痛みが出にくい
入れ歯の動きが少なくなるため、歯ぐきへの負担が軽減され、装着時の痛みや違和感が出にくくなります。
4.違和感が少ない
上あごの場合、口蓋を覆う部分(口蓋床)を小さく設計したり、症例によっては設けないことも可能です。これにより、食材本来の温度や味を感じやすくなり、食事の満足度が向上することが期待できます。上がる感じが軽減されます。
IODの違和感や慣れるまでの期間については、「IODの違和感」の記事をご参照ください。
IODのデメリット
メリットが多い一方で、検討にあたって知っておきたい注意点もあります。
IODのデメリットの詳細は、「IODのデメリット」の記事をご参照ください
1.外科手術が必要
インプラントを埋入するため、外科処置が必要となります。全身疾患をお持ちの方や、あごの骨が極端に少ない方は、適応の可否を慎重に判断する必要があります。
手術時の痛みについては、「IODの痛み」の記事をご参照ください。
2.保険適用外(自由診療)
IODは保険適用外の自由診療となるため、初期費用のご負担が大きくなります。一方で、適切なメンテナンスを継続することで10年以上ご使用いただけるケースも多く、長期的に見ればトータルコストの差は徐々に縮まっていきます。
IODの費用に関する詳細は、「IODの費用」の記事をご参照ください。
3.定期的なメンテナンスが必要
長くお使いいただくためには、定期検診とインプラント周囲の清掃管理が欠かせません。ご自宅でのお手入れに加え、歯科医院での専門的なケアを継続することが大切です。
どんな方に向いている?
IODは、以下のようなお悩みをお持ちの方におすすめの治療です。
- 入れ歯が合わず、外れやすさに悩んでいる方
- 噛みにくさや痛みを改善したい方
- 総入れ歯の不安定さに不安を感じている方
- できるだけ負担を抑えながら安定性を高めたい方
- インプラントの本数や費用をできるだけ抑えたい方
特に、「入れ歯は使っているけれど、外れやすい・しっかり噛めない」といったお悩みをお持ちの方にとっては、無理なく快適性の改善を目指せる選択肢となることが多いです。
ただし、あごの骨の状態や全身状態、生活スタイルによって適した治療法は異なります。最終的にはお口の状態を確認したうえで、歯科医師との相談のもとに選択することが大切です。
まとめ
IOD(インプラントオーバーデンチャー)は、入れ歯とインプラントのそれぞれの長所を取り入れた治療法です。少ない本数のインプラントで入れ歯を安定させることで、外れにくさや噛む力の回復、装着感の向上といった効果が期待できます。
どちらの治療法が優れているということではなく、患者様お一人おひとりの状態とご希望に応じて、最適な選択肢をお選びいただくことが大切です。ご自身に合った治療法を見つけるためには、歯科医院での精密な検査とカウンセリングが欠かせません。
大木歯科医院では、カウンセリングを通じて、IODをはじめとする治療法のご説明、検査結果に基づいたご提案、費用のお見積もりまで、丁寧にご案内しております。
ご予約・お問い合わせは、お電話またはWEB予約フォームより承っております。まずはお気軽にご相談ください。
略歴
- 国立徳島大学歯学部卒業
- American Academy of Implant Dentistry
- Associate Fellow
- Astra tech implant インストラクター
- Osstem implant インストラクター
- 歯科医師臨床研修指導歯科医
資格・所属学会
- アメリカインプラント学会(AAID)
- 日本口腔インプラント学会
- 日本審美歯科学会
- 日本臨床歯周病学会
- 日本小児歯科学会
- 東京SJCD会員
一人ひとりの多様なニーズにお応えします
当院は難しい症例を含む多くの症例を経験しており、患者様の理想通りの治療をご提供できるよう、チーム一丸となって取り組んでいます。