歯周病リスクを下げる食生活とは?管理栄養士が解説する予防に役立つ栄養素

歯周病予防と聞くと、毎日の歯磨きや歯科医院での定期検診を思い浮かべる方が多いでしょう。
これらはもちろんとても大切ですが、実は日々の食生活も歯周病のリスクを下げる重要なポイントのひとつです。
ビタミンやたんぱく質など、歯茎の健康を支える栄養素を意識して摂ることで、歯茎の炎症を抑えたり、回復を助けたりする効果が期待できます。
こんにちは。三重県鈴鹿市にある歯医者、大木歯科医院の管理栄養士です!
今回は「歯周病と食生活の関係」について、管理栄養士の視点からわかりやすく解説します。
歯周病とはどんな病気?
歯周病とは、歯を支えている骨や歯茎が炎症を起こす病気です。
初期は歯茎の腫れや出血といった軽い症状から始まりますが、進行すると歯を支える骨が溶け、歯がグラグラしたり抜けてしまう病気で、自覚症状が少ないまま進行してしまうことが多いのが特徴です。
痛みが少なく気づきにくいため、日本人の多くがかかっている「国民病」ともいわれています。
毎日のセルフケアに加え、体の内側から整える食生活も歯周病予防には重要です。
歯周病予防におすすめの栄養素
ビタミンC|歯茎を丈夫に保つ
ビタミンCは歯茎の健康を保ち、出血や炎症を抑える働きがあります。
不足すると歯茎が弱くなり、炎症が起こりやすくなるため、毎日意識して摂りたい栄養素です。
多く含まれる食品
- 赤ピーマン
- ブロッコリー
- キウイ
- いちご
たんぱく質|歯肉の修復材料になる
歯茎も体の組織の一部です。
たんぱく質が不足すると、歯茎の修復や回復がスムーズに進まなくなることがあります。
多く含まれる食品
- 魚
- 卵
- 豆腐・納豆
- 鶏肉
カルシウム・ビタミンD|歯を支える骨を強くする
カルシウムは歯だけでなく、歯を支える顎の骨の健康にも関係します。
骨が弱くなると歯周病が進行しやすくなるため、土台づくりとして重要な栄養素です。
また、ビタミンDと一緒に摂ることで吸収率が高まります。
多く含まれる食品
- しらす
- 小松菜
- 牛乳・乳製品
- 干し椎茸
- 鮭
抗酸化作用のある食材|炎症の悪化を防ぐ
抗酸化作用のある食品は、体のサビ(酸化)を防ぎ、歯周病の進行予防にも役立ちます。
歯茎の慢性的な炎症が気になる方には、特に意識して取り入れてほしい食材です。
おすすめ食品
- 緑茶
- トマト
- ナッツ類
- オリーブオイル
歯周病リスクを高める控えたい食習慣
以下のような食習慣は、歯周病のリスクを高める可能性があります。
- 間食が多く、だらだら食べる
- 甘い飲み物(ジュース、スポーツドリンク、カフェラテなど)を頻繁に飲む
- 柔らかいものばかり食べる
- インスタント食品やコンビニ食が続く
- 「何を食べるか」だけでなく、食べ方や頻度も意識することが大切です。
よくある質問(Q&A)
Q. 歯周病は食事だけで治りますか?
A. 食事だけで歯周病を治すことはできませんが、歯科治療や正しい歯磨きと併用することで、予防や進行抑制をサポートできます。
Q. 甘いものは完全に控えた方がいいですか?
A. 完全に禁止する必要はありません。食べる時間や頻度を決め、だらだら食べを避けることが重要です。
まとめ|食生活からできる歯周病予防
歯周病は気づかないうちに進行しやすい病気ですが、毎日の食事とお口のケアを見直すことで、歯茎の状態が良い方向へ変わる可能性があります。
歯磨きや定期検診とあわせて、栄養バランスの良い食生活を心がけ、健康なお口を保ちましょう。
※本記事は歯科医院に勤務する管理栄養士の立場から、一般的な栄養学情報をもとに作成しています。歯周病の診断・治療については、歯科医師にご相談ください。