管理栄養士ブログ

知っておきたい、乳歯の基礎知識③|夜間授乳とお口のケアのポイント

こんにちは!三重県鈴鹿市にある大木歯科医院の管理栄養士、中村です。

赤ちゃんが成長し、5〜6ヶ月頃になるといよいよ「離乳食」がスタートしますね。「たくさん食べてくれるかな?」「進め方はこれでいいのかな?」と、毎日ドキドキしながら我が子と向き合っている保護者の方も多いのではないでしょうか。

実は、離乳食が始まる時期は、赤ちゃんの「お口の環境」や「むし歯リスク」が大きく変化するタイミングでもあります。

今回は、保護者教室でもよくご質問をいただく「夜間授乳とむし歯の関係」や、離乳食期から始めたい「お口のケアのポイント」について、管理栄養士かつ歯科の視点から分かりやすくお話しします!

・知っておきたい、乳歯の基礎知識シリーズ
【①乳歯の基礎知識や役割】【②ケアと虫歯予防のポイント】の記事でも乳歯の基礎知識についてご紹介しています。まだご覧になっていない方は、ぜひそちらもあわせてご覧ください。

離乳食が始まると、なぜむし歯のリスクが上がるの?

「まだ数本しか歯が生えていないのに、むし歯になるの?」と思われるかもしれません。しかし、離乳食が始まる時期こそ、注意が必要なポイントがあります。

唾液の分泌量と夜間のリスク

お口の中を守る最強の味方は、実は私たちの「唾液(つば)」です。唾液には、お口の中の汚れを洗い流したり、酸性に傾いたお口を中性に戻して歯を修復したりする(再石灰化)大切な働きがあります。

しかし、夜間は起きている時間に比べて、唾液の分泌量がグッと少なくなってしまいます。 お口の中が乾きやすく、自浄作用が低下するため、夜間は1日の中で最もむし歯のリスクが高まる時間帯なのです。

知っておきたい「夜間授乳」のポイント

多くの親御さんを悩ませるのが、夜泣きや寝かしつけの際の「夜間授乳(母乳やミルク)」ですよね。

母乳やミルクだけでむし歯になるの?

母乳やミルクそのものが、すぐにむし歯をつくるわけではありません。ただし「寝る前に飲んでそのまま眠る」「日中も少しずつ飲み続ける」といった習慣が重なると、むし歯になりやすくなります。

離乳食が始まると、赤ちゃんのお口には「砂糖(ショ糖)」や「炭水化物」など、様々な食べかすが残るようになります。この「母乳やミルク」に「離乳食の磨き残し(糖分)」が合わさることで、むし歯菌の活動が急激に活発になってしまうのです。

夜間授乳で大切なこと

夜間授乳をすぐに完全にやめるのは、お母さんにとっても赤ちゃんにとってもストレスが大きく、簡単なことではありません。だからこそ、以下のポイントを意識してみましょう。

  1. 「磨き残し」を減らす
    夜間に授乳をするからこそ、寝る前の口腔ケア(離乳食の汚れをしっかり落としておくこと)が何よりも大切です。
  2. お口の中を清潔に保つ
    授乳のあとに白湯や麦茶を少し飲ませたり、湿らせたガーゼで歯や歯ぐきを優しく拭ってあげたりすると、お口に残った糖分が洗い流され、むし歯になりにくい状態を保てます。

食生活からアプローチするお口の健康

管理栄養士として特にお伝えしたいのが、「何を、どう食べるか」という食生活そのものが、将来のきれいな歯並びや強い歯を作るということです。

食事の「カミカミ」を促す工夫

離乳食の時期に合わせて、適切な固さや大きさにステップアップしていくことも重要です。

よく噛んで食べることは、唾液の分泌を促し、むし歯予防になります。ペースト状から、徐々に形のあるものへと、赤ちゃんの成長に合わせて進めていきましょう。

スプーンの載せ方、間違っていませんか?

離乳食をあげる時、スプーンを赤ちゃんの口の奥まで押し込んだり、上あごに擦り付けるようにして食べさせていませんか?

正しい食べさせ方は、「スプーンを赤ちゃんの下唇の上にそっとのせ、赤ちゃんが自分の上唇を閉じて、自分で取り込むのを待つ」ことです。 これによって、お口の周りの筋肉(口輪筋)や舌が正しく発達し、将来のきれいな歯並びや、お口をしっかり閉じる習慣につながります。

今日からできる!ステップ別お口のケア

最後に、おうちでできる具体的なケアのステップをご紹介します。

ステップ1:まずはガーゼから(離乳食初期〜)

歯が生え始める前や、生え始めの時期は、清潔なガーゼを指に巻き、お口の中を優しくチョンチョンと触ることから始めましょう。まずは「お口の中を触られること」に慣れてもらうのが目的です。

ステップ2:歯ブラシを当ててみる(前歯が生えたら)

前歯が見えてきたら、乳児用の柔らかい歯ブラシをそっと当ててみます。ゴシゴシ磨くのではなく、優しく1〜2秒当てるだけでもOKです。「歯ブラシは気持ちいいもの、怖くないもの」と教えてあげましょう。

ステップ3:寝る前の仕上げ磨きを習慣に

1日の終わり、寝る前の仕上げ磨きを毎日のルーティンにしていきます。赤ちゃんが嫌がる時は、無理をせず、お母さん・お父さんが楽しそうに磨いている姿を見せるのも効果的です。

家族みんなで、楽しくお口の健康を守りましょう!

離乳食が始まると、栄養のこともお口のケアのことも、考えることがたくさんあって大変に感じるかもしれません。 ですが、一番大切なのは、「神経質になりすぎず、おうちの方が笑顔で赤ちゃんと向き合うこと」です。

夜間授乳を無理に我慢してママが寝不足で倒れてしまっては大変です。寝る前の歯磨き(磨き残しを減らすこと)をしっかり行い、できる範囲でお口のケアを取り入れていきましょう。

大木歯科医院では、歯科医師や歯科衛生士によるお口のチェックはもちろん、管理栄養士による「離乳食の進め方」や「お口を育てる食事」の離乳食教室も行っています。「離乳食を全然食べてくれない…」「歯磨きをすごく嫌がるけれどどうしたらいい?」など、どんな小さなことでもお気軽にご相談くださいね。

一緒に、お子さまの健やかな成長と、ピカピカの白い歯を守っていきましょう!

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