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入れ歯と年齢は関係する?何歳くらいで入れ歯になるのか、入れ歯になる原因も併せて解説

三重県鈴鹿市 大木歯科医院

歯科医師 院長 笠井啓次

 

「入れ歯」と聞くと高齢になったら必要になるといったイメージを持つ方は多く、厚生労働省の調査では70歳以上の高齢者のうち60%が入れ歯を使用している結果があります。できれば高齢になっても自分の歯で食事はしたいものです。ここでは入れ歯が必要になる原因と何歳くらいで入れ歯が必要になるのかについてご紹介します。

そもそも入れ歯とは

そもそも入れ歯とはむし歯・歯周病などで歯を失ったときに補う治療方法の一つです。入れ歯には部分的に歯を失ったときに補う「部分入れ歯」と全ての歯を失ったときに補う「総入れ歯」があります。

入れ歯が必要になる原因

歯を失ってしまう原因はむし歯・歯周病・転倒などの思わぬ事故などが挙げられ、中でも歯周病は歯を失う最大の原因になります。歯周病は軽度な症状も含めると、30代以上の3人に1人が歯周病に罹患していると言われており、2001年に世界で最も蔓延している病気としてギネスブックにも掲載されています。

 

歯周病は歯垢(プラーク)と呼ばれる汚れが原因で、歯垢には1mgあたり1億以上の細菌が生息しています。その中にいる歯周病菌が繁殖すると歯ぐきに炎症を起こし、歯周病が進行します。さらに歯周病が悪化すると歯を支えている骨を溶かし、最終的には歯が抜けてしまう恐ろしい病気です。また進行しても自覚症状がほとんどないため、気づいたときには治療ができず歯を抜かなければならないこともあります。

入れ歯が必要になる年齢は?

では入れ歯は何歳くらいから必要になるのでしょうか。以下の表は「歯の喪失の実態」ト「義歯の使用状況」(参照:厚生労働省の生活習慣病予防のための健康情報サイトe-ヘルスネット)を表したものです。

 

年齢層 歯の平均本数
15~24歳 28.0本
25~34歳 28.6本
35~44歳 28.1本
45~54歳 26.4本
55~64歳 23.3本
65~74歳 19.2本
75歳以上 13.3本

 

なお永久歯は親知らずを含めると32本ありますが、中には生えない方もいます。そのため、親知らずを含めない28本が一般的な歯の本数として用いられます。

 

年齢層 ブリッジ 部分入れ歯 総入れ歯
45~54歳 30% 5% ごく少数
55~64歳 50% 20% 5%
65~74歳 50% 40% 20%
75歳以上 40% 50% 40%

上記の表によると、45歳以上から歯を失い始めることがわかります。また入れ歯は失った歯を補うための治療方法の一つで、歯が1本でも抜けた場合治療方法の選択や症例により必要になることがあります。つまり、ブリッジを選択しない場合、45歳以上になると部分入れ歯が必要になるケースもあると言えます。また歯の残存数の平均値が大きく減る65歳以上になると総入れ歯が必要になるケースが多いです。

まとめ

45歳以上になると歯を失いブリッジ・部分入れ歯が必要になることが多いです。また65歳以上になると総入れ歯になる方も増加傾向にあります。なお歯を失う原因は歯周病によるものが多く、30代以上の3人に1人は罹患している可能性があると言われています。高齢になっても自分の歯で食べるためには、30代のうちから歯科医院での定期検診に通うことが非常に大切です。

 

三重県鈴鹿市 大木歯科医院

歯科医師 院長 笠井啓次

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