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インプラント治療は保険が適用されない自由診療

三重県鈴鹿市 大木歯科医院

歯科医師 院長 笠井啓次

 

インプラントは基本的に保険が適用されない自費診療になります。そのため高額な治療になりますが、失った歯を補う方法の選択肢に選ばれることが増えてきました。インプラント治療は自由診療になる理由を解説します。

保険診療と自費診療の違い

国民健康保険などの公的医療保険に加入し、費用を負担することで医療機関の窓口での支払いが1~3割の自己負担で治療が受けられる、素晴らしい制度です。

歯科治療では基本的にむし歯や歯周病といった、「病気の治療」が目的とされる場合は保険適用されます。インプラントやセラミック、矯正治療は「見た目の改善」が目的とされるため、全額自己負担の自由診療となります。

インプラントが保険適用にならない理由

事故や病気など広範囲に顎の骨を失った場合、保険が適用されますが、むし歯や歯周病で失った歯を補うためのインプラント治療は保険が適用されません。

通常の歯科治療と比べると、コストが高い治療方法です。例えば、インプラント本体の価格も1本数万円~と非常に高価な物になります。また使用する機材や、感染症対策のための使い捨ての滅菌ガウンや、滅菌グローブといった消耗品も通常の歯科治療よりもコストがかかるため、高額になります。

また、歯を支える骨の量が少ない場合は、骨を造る手術も必要になり、使用する材料も非常に高価です。人工歯に関しても、通常の治療とは異なる材料や素材を使用するためコストがかかります。

今後インプラントは保険適用になる?

インプラント治療は今後も保険が適用されることは考えにくいです。

また、個人で加入している保険もインプラント義歯による治療は先進医療として、2012年3月までは対象となっていましたが、2012年4月1日以降に保険診療の対象となり、給付金の対象から外れています。そのためインプラント治療は、先進医療の対象からはずれ、自由診療となります。

インプラント治療が保険適用される条件とは

インプラント治療は以下の条件が満たされると保険が適用されます。
・先天的に顎の骨が1/3以上欠損している
・上顎または下顎の1/3以上が連続して欠損しており、上顎が鼻腔や副鼻腔と繋がっている
・口腔がんなどの病気が理由で顎の骨の1/3以上の切除が必要と診断された場合

また、保険で診療を行える医療機関にも条件があり主に大学病院が対象になります。
・入院用のベッドが20床以上あり、当直体制が整っている病院
・国が定めている医療機器や医薬品の管理がされている

加えて、歯科、口腔外科での勤務が5年以上または、インプラント治療の経験が3年以上ある常勤歯科医師が2名以上在籍している病院が対象になります。

まとめ

ほとんどのインプラント治療は、保険が適用されない高額な自由診療です。むし歯や歯周病が原因で歯をうしなった場合は保険が適用されません。

保険が適用される症例は、病気やけがなどで顎の骨の量が欠損しているかつ、条件に該当する病院で受診すると保険適用されます。

インプラント治療の費用にお悩みの方は一度、歯科医院で相談することをおすすめします。

 

三重県鈴鹿市 大木歯科医院

歯科医師 院長 笠井啓次

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