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入れ歯からインプラントに:移行のメリットとデメリット

三重県鈴鹿市 大木歯科医院
歯科医師 院長 笠井啓次です。

入れ歯を利用している方々の中には、インプラントへの切り替えを考えている人も多いかもしれません。この記事では、入れ歯とインプラントの違い、インプラントに移行する際のメリットとデメリット、治療の流れや費用について詳しく解説します。

目次

1. 入れ歯とは?
2. インプラントとは?
3. 入れ歯のメリットとデメリット
4. インプラントのメリットとデメリット
5. インプラント治療の流れ
6. 費用と治療期間
7. 入れ歯からインプラントに切り替える際の注意点
8. まとめ

1. 入れ歯とは?

入れ歯は、歯を失った場合に用いる人工の歯です。入れ歯には部分入れ歯と総入れ歯があります。部分入れ歯は一部の歯を失った場合に使用され、総入れ歯は全ての歯を失った場合に使います。入れ歯は比較的経済的で、多くの患者さんにとって手軽に手に入れることができます。しかし、装着感や適合性に問題がある場合も多く、食事や会話に支障を感じることがあるのがデメリットです。

また、入れ歯を使用している期間が長くなると、顎の骨が徐々に吸収されていくことがあり、これが原因で入れ歯のフィット感が悪くなることもあります。定期的に調整が必要となるため、メンテナンスに手間がかかることが多いです。

2. インプラントとは?

インプラントは、顎の骨に人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を固定する治療方法です。この方法は、生体親和性に優れたチタン製の材料を使うことが一般的であり、天然歯に近い感触と美しさを提供します。インプラントは固定式であるため、取り外しの必要がなく、普通の歯と同様に扱うことができます。

また、インプラントは周囲の歯に依存しないため、他の歯に負担をかけることがありません。そのため、インプラントは長期間使用しても安定しており、顎の骨の健康を保つことができます。

3. 入れ歯のメリットとデメリット

入れ歯の最大のメリットは、比較的安価であることです。特に保険適用の入れ歯は治療費を抑えられるため、多くの人にとって経済的負担が少ない方法となっています。また、治療期間もインプラントと比べて短く、比較的早い段階で装着が可能です。

一方で、入れ歯のデメリットとしては、装着感やフィット感の問題があります。特に初めて入れ歯を使う人は、しばらくの間慣れるまでに時間を要することが多いです。です。また、フル入れ歯の場合、顎の骨が減少することでフィット感がさらに悪化する可能性が高まります。定期的な調整や修理が必要となるため、長期的なメンテナンス費用も考えなければなりません。

4. インプラントのメリットとデメリット

インプラントの最大のメリットは、天然歯のような見た目と感触が得られることです。固定式であるため、食事や会話においても違和感が少なく、非常に快適に過ごすことができます。また、インプラントは周囲の歯に負担をかけることがなく、顎の骨の健康を保つことができるため、長期間にわたり安定して使用できます。

デメリットとしては、治療費が高額になることが挙げられます。インプラントは保険適用外の治療が多いことから、全額自己負担となるケースが一般的です。また、治療期間も長く、手術が必要となるため、患者さんにとって身体的な負担も少なくありません。手術に伴うリスクや痛み、腫れなども考慮する必要があります。

5. インプラント治療の流れ

インプラント治療は以下のようなステップで行われます。

1. 診断と計画: 初めに口腔内の検査を行い、レントゲンやCTスキャンを用いて顎の骨の状態を確認します。その上で治療方針を決定し、患者さんに説明します。

2. インプラント手術: 手術では、顎の骨にインプラント体を埋め込む手術を行います。通常、局所麻酔を使用し、手術時間は1~2時間程度です。手術後は数ヶ月間、骨とインプラントが結合する期間が必要です。

3. 仮歯の装着: 骨との結合が確認された後、仮歯を装着します。これによって、自然な咬み合わせを維持しながら、周囲の歯や歯肉を健康に保つことが可能です。

4. 最終補綴物の装着: 骨とインプラント体が完全に結合したら、最終的な人工歯(補綴物)を装着します。この補綴物は、見た目や噛む力において天然歯とほとんど変わらないものです。

6. 費用と治療期間

インプラント治療の費用は、1本あたり約30万~50万円が一般的です。これには、診断、手術、仮歯、最終補綴物のすべてが含まれます。保険適用外のため、全額自己負担となりますが、クリニックによっては分割払いも可能ですので、医師に相談してみると良いでしょう。

治療期間については、インプラント手術から最終補綴物の装着まで通常3ヶ月から6ヶ月かかります。ただし、個々の患者さんの状態によって異なる場合があるため、事前にしっかりと医師と相談することが大切です。

7. 入れ歯からインプラントに切り替える際の注意点

入れ歯からインプラントに切り替える際には、いくつかの注意点があります。まず、インプラントを埋め込むために十分な顎骨の量が必要です。もし顎骨が不足している場合は、骨移植やサイナスリフトといった追加の治療が必要となります。また、糖尿病や喫煙などの生活習慣や全身の健康状態がインプラント治療の成功に影響を与えることがありますので、医師とよく相談して治療計画を立てる必要があります。

8. まとめ

入れ歯とインプラントにはそれぞれメリットとデメリットがあるため、どちらが最適かは個々の患者さんの状況や希望に依存します。インプラントは高額で治療期間も長いですが、天然歯に最も近い感触と外見を提供します。入れ歯は経済的で治療期間も短いですが、適合性やフィット感に問題が出ることがあります。どちらの方法が自身にとって最適かを判断するためには、信頼できる歯科医師との相談が不可欠です。

入れ歯からインプラントへの切り替えを検討する際には、この記事を参考にして、しっかりとした知識を持った上で決断を下すことをお勧めします。治療方法によっては、身体的、経済的、精神的な負担も異なりますので、自分に最適な治療法を見つけるために、ぜひ医師としっかりと話し合ってください。

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