管理栄養士ブログ

子どもの口唇閉鎖力検査とは?測り方・数値の目安|管理栄養士が解説する食事の工夫

こんにちは。三重県鈴鹿市にある歯医者、大木歯科医院です。

口唇閉鎖力検査は、唇を閉じる力がどのくらいあるかを数値で確認する検査です。測定そのものは10秒ほどで終わり、痛みを伴うものではありません。「お口ぽかん」や食べこぼし、口呼吸といった気になる様子の背景には、唇の力が関わっていることがあります。

この記事では、日本歯科医学会の「口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方(令和6年3月)」をもとに、検査の方法や数値の見方、力が弱い場合に考えられる影響をご説明します。あわせて、当院の管理栄養士の視点から、毎日の食事でできる工夫もご紹介します。

口腔機能発達不全症そのものについては、こちらの記事をご参照ください。

口唇閉鎖力とは

口唇閉鎖力とは、上下の唇をしっかり閉じ合わせる力のことです。ふだん意識することは少ないかもしれませんが、食べ物を口の中にとどめる、飲み込む、鼻で呼吸する、はっきり発音するといった、さまざまな動作に関わっています。

この力は歯並びとも関係があります。歯は、外側から唇と頬に、内側から舌に押されており、その力のつり合いのなかに並んでいます。唇の力が弱いと舌が外へ押し出す力が優勢になり、前歯が前方に傾きやすくなることがあるとされています。

当院では、この「閉じる力と押し出す力のバランス」をお子さまと保護者の方にご説明したうえで、検査を行っております。

検査の方法

リットレメーターという専用の測定器を使用します。前歯と唇のあいだに小さな装着具を入れ、唇を閉じたまま、測定器をゆっくりまっすぐ引いていきます。装着具が口から外れたときの力が、唇を閉じる力として表示されます。単位はニュートン(N)です。

  • 測定は10秒ほどで、準備を含めても数分程度です
  • 歯を削る、針を使うといった処置はありません
  • 数回測定し、安定した値を記録します
  • 初めてのお子さまには、先に機器を見て触っていただくこともできます

当院では、管理栄養士が検査を担当しております。定期検診やクリーニングでご来院の際にも、お気軽にお声がけください。

数値の見方と目安

口唇閉鎖力は年齢とともに強くなっていくため、絶対的な合格ラインがあるというより、年齢に対してどうかという見方をします。日本歯科医学会の様式でも、年齢ごとの基準値を下回るかどうかで判断する形になっています。

年齢男児の平均値女児の平均値
3歳3.7N3.5N
4歳5.1N4.8N
5歳6.5N6.1N
6歳8.4N7.1N
8歳9.8N8.0N
10歳9.1N7.7N
12歳10.1N9.2N
※日本歯科医学会「口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方(令和6年3月)」より一部抜粋

また、1回の数値だけで判断するものでもありません。大切なのは、取り組みを続けたあとに再検査を行い、変化を確認することです。数値として残るため、「がんばった結果が見える」という点はお子さまの励みにもなります。

検査結果は、その場でお子さまと保護者の方にご説明いたします。数値の意味がわかりにくい場合は、遠慮なくお尋ねください。

力が弱いと考えられる影響

口唇閉鎖力が弱い状態が続くと、次のような様子につながることがあるとされています。

場面見られやすい様子
食事食べこぼしが多い、口を開けたまま噛む、音を立てて食べる
ふだんの表情日中も口がぽかんと開いている
呼吸口呼吸になりやすい、口の中や唇が乾きやすい
発音パ行・マ行など唇を使う音がはっきりしにくい
歯並び前歯が前方に傾きやすい、噛み合わせに影響することがある

ただし、これらの様子がすべて唇の力だけで説明できるわけではありません。鼻づまりがあれば口を開けざるを得ませんし、姿勢や食事の形態が関わっていることもあります。検査は、原因を絞り込むための材料のひとつとお考えください。

管理栄養士が解説する、食事でできる工夫

唇の力は、毎日の食事のなかでも育てていくことができます。管理栄養士の立場から、ご家庭で取り入れやすい工夫をご紹介します。

  1. 前歯でかじり取る機会をつくる
    食材をすべて一口大にそろえず、野菜スティックやトーストのように、前歯でかじり取る大きさのものを取り入れることをおすすめしています。自分にちょうどよい一口の量を覚える練習にもなります。
  2. 唇を使って食べ物を取り込む
    スプーンを口の奥まで入れてしまうと、唇を使わずに食べられてしまいます。スプーンは下唇のあたりで待ち、お子さまが唇を閉じて取り込めるようにするのがおすすめです。
  3. 飲み物で流し込まない
    よく噛まずに、お茶や汁物で食べ物を流し込む習慣があると、唇や舌を使う機会が減ってしまいます。口の中のものを飲み込んでから飲み物をとる流れにすると、自然と噛む回数も増えていきます。
  4. 年齢に合った噛みごたえを取り入れる
    やわらかい食べ物ばかりにならないよう、歯の生え方や噛む力に合わせて、根菜やきのこなど適度に噛みごたえのある食材を少しずつ取り入れていくのがよいと考えています。
  5. 食事中の姿勢を整える
    足の裏が床や足台につく姿勢は、噛む・飲み込む動きを安定させます。
  6. 体の成長もあわせて確認する
    口腔機能の評価では、やせや肥満がないかも確認項目のひとつです。当院では管理栄養士が身長・体重から成長の様子を確認し、必要に応じて食事内容のご相談も承っております。
  7. お口の体操と、鼻づまりへの対応
    あいうべ体操など、口を大きく動かす体操も唇の力を育てる助けになります。

よくある質問

Q. 何歳から受けられますか?

説明を理解して、装着具をくわえていられる年齢であれば実施できます。唇を閉じる機能の評価は、乳歯がそろう3歳ごろから行うのが一般的です。お子さまの様子によって異なり、難しい場合は無理に行わず、別の方法で確認いたします。

Q. 検査は保険が使えますか?

口腔機能発達不全症と診断され、その管理の一環として行う場合、18歳未満のお子さまであれば保険診療の対象となります。詳しくはこちらの記事をご参照ください。

Q. どのくらいの期間で数値は変わりますか?

個人差が大きく、数か月で変化が見られる場合もあれば、成長とあわせてゆっくり変わっていく場合もあります。当院では、約3か月を目安に再検査を行い、変化を確認しながら取り組みの内容をご提案いたします。

Q. 舌圧検査とはどう違うのですか?

口唇閉鎖力検査は唇を閉じる力を、舌圧検査は舌が上あごを押す力を測る検査で、見ている機能が異なります。両方を組み合わせることで、お口の力のバランスをより立体的に確認できます。

まとめ

口唇閉鎖力検査は、唇を閉じる力をリットレメーターで測る、短時間で終わる検査です。年齢・性別ごとの標準値と比べて評価し、再検査で変化を確認していきます。

唇の力は、検査やお口の体操だけでなく、かじり取る、唇で取り込む、流し込まずに噛むといった、毎日の食べ方のなかでも育っていきます。三重県鈴鹿市にある歯医者、大木歯科医院では、常勤の管理栄養士が在籍しており、お口の機能と食事の両面からご相談をお受けしております。

「口唇閉鎖力の検査を受けたい」「お口ぽかんについて相談したい」など、どのようなことでもお気軽にお声がけください。

ご予約・お問い合わせは、お電話またはWEB予約フォームより承っております。

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