即時荷重インプラント(即日インプラント)とは?手術当日に仮歯が入る仕組み・注意点
こんにちは。三重県鈴鹿市にある歯医者、大木歯科医院です。
即時荷重(そくじかじゅう)インプラントとは、インプラント体を埋め込んでから1週間以内(多くは手術当日)に仮歯を装着する治療法で、「即日インプラント」「その日に歯が入るインプラント」とも呼ばれます。歯のない期間を短くできる一方で、手術時にインプラント体がしっかり固定されていることなど一定の条件を満たす必要があり、誰でも受けられるわけではありません。従来の方法(通常荷重・待時荷重)との違いを理解したうえで検討することが大切です。
この記事では、「歯がない期間をつくりたくない」「前歯がない状態で人前に出たくない」とお考えの方に向けて、即時荷重インプラントの仕組みやメリット・注意点、治療期間、向いている方についてわかりやすくご説明します。
即時荷重インプラント(即日インプラント)とは
従来のインプラント治療では、インプラント体(骨に埋め込む部分)を埋入した後、骨としっかり結合する(オッセオインテグレーション)まで2か月以上、一般的には数か月待ってから歯を入れる「通常荷重」という方法が基本でした。
これに対して即時荷重は、埋入から1週間以内に仮歯を装着する方法で、手術当日に装着するケースが多く見られます。インプラントの国際的な学術団体であるITI(International Team for Implantology)のコンセンサスでも、歯を入れる時期は「即時(1週間以内)」「早期(1週間〜2か月)」「通常(2か月以上)」に分類されています。
ただし、当日から強く噛めるわけではありません。特に1〜2本の部分的な治療では、仮歯を噛み合わせに当たらないよう調整して装着することが多く、これは「即時修復」と呼ばれることもあります。
なお、抜歯したその日にインプラント体を埋め込む「抜歯即時埋入」とは別の考え方です。「即時埋入」はインプラント体を埋め込むタイミング、「即時荷重」は歯を入れるタイミングを指し、両者を組み合わせて行う場合もあります。

即時荷重の主なメリット
即時荷重には、次のようなメリットがあるとされています。
- 早い段階で仮歯が入るため、歯のない期間をつくらずに済む
- 前歯を失った場合など見た目が気になる部位で、歯がない状態で過ごさずに済む
- 仕事や人と会う予定があっても、見た目を気にせず過ごしやすい
- 治癒期間中も、仮歯で見た目や会話、食事に配慮しやすい
条件を満たした方を対象とした研究をまとめた報告(コクラン・レビュー)では、即時荷重と通常荷重の間で、インプラントの失敗率に明確な差は認められていません。ただし、研究の質には限界があるとされており、あくまで適応を慎重に見極めたうえでの結果である点には注意が必要です。
即時荷重の注意点・デメリット
一方で、即時荷重には次のような注意点があります。
- 骨の量や質などの条件を満たす必要があり、適応が限られる
- 手術直後は結合が進む途中のため、噛む力の管理が重要になる
- 歯ぎしりや食いしばりが強い方は、力の負担に注意が必要
- 手術中に十分な初期固定が得られない場合は、当日の仮歯装着を見送り、通常荷重に切り替えることがある
- 最終的な歯(上部構造)は骨との結合を確認してから入れるため、治療期間全体が大きく短くなるとは限らない
- 治癒期間中は、やわらかい食事を中心にするなど、生活上の配慮が必要になる
適応できるかどうかは、CT検査などで骨の状態を確認したうえで判断します。
即時荷重が向いている方
「歯がない期間をつくりたくない」「できるだけ早く見た目を整えたい」という方で、次のような条件がそろっている場合、即時荷重が選択肢になりやすいとされています。
- インプラントを支えるのに十分な骨の量・質がある
- 全身の健康状態が良好である(糖尿病などがある場合は、良好にコントロールされている)
- 噛み合わせや歯ぎしりの状態が管理できる範囲にある
- 喫煙習慣がない、または禁煙に取り組める
逆に、骨が少なく骨造成(骨を補う処置)が必要な場合や、埋入部位に感染・炎症がある場合などには、無理に即時荷重を行わず、通常荷重を選ぶことがあります。
よくある質問
Q. 即日インプラント(即時荷重)は誰でも受けられますか?
A. いいえ。骨の量や質、全身状態、噛み合わせ、喫煙の有無などの条件を満たす必要があります。CT検査などで確認したうえで、適応できるかを判断します。また、手術中に十分な固定が得られない場合は、当日の仮歯装着を見送ることがあります。
Q. 手術当日からご飯は食べられますか?
A. 麻酔が切れてから食事をとっていただけますが、骨との結合が進む途中のため、硬いものを噛んだり強く噛みしめたりすることは避け、やわらかい食事を中心に過ごしていただきます。期間や食事の目安は、治療内容に応じてご説明します。
Q. 歯ぎしりがあってもできますか?
A. 歯ぎしりが強い場合は、力の負担が大きくなるため慎重な判断が必要です。ナイトガード(就寝時のマウスピース)などの対策とあわせて検討します。
Q. 即日インプラントなら治療期間は短くなりますか?
A. 歯のない期間は短くなりますが、最終的な歯は骨との結合を確認してから装着するため、治療期間全体が大きく短くなるとは限りません。
Q. 抜歯したその日にインプラントを入れて、仮歯まで入れられますか?
A. 抜歯即時埋入と即時荷重を組み合わせることで可能な場合があります。ただし、抜歯した部分の骨の壁が保たれていることや、歯ぐきの厚み、感染がないことなどの条件が必要です。最終的には手術中の固定の状態を確認したうえで判断します。
Q. 総入れ歯の方でも、その日に固定式の歯を入れられますか?
A. 骨の条件が整っていれば、複数本のインプラントを埋め込み、連結した固定式の仮歯をその日のうちに装着できる場合があります。入れ歯が合わない、外れやすいとお悩みの方も、まずは検査で骨の状態を確認することをおすすめします。
Q. 即日インプラントの手術は痛いですか?
A. 手術は局所麻酔を行うため、手術中の痛みは抑えられます。術後に腫れや痛みが出ることがありますが、通常のインプラント手術と同様に、痛み止めなどで対応します。
まとめ
即時荷重インプラント(即日インプラント)は、埋入から1週間以内(多くは手術当日)に仮歯が入り、歯のない期間をつくらずに済む治療法です。前歯など見た目が気になる部位で選ばれることがありますが、十分な初期固定が得られることなどの条件を満たす必要があり、噛む力の管理も重要になります。また、最終的な歯が入るまでの期間は、通常の方法と大きく変わらない場合もあります。適応できるかどうかは検査をもとに判断するため、まずは状態を確認することをおすすめします。
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略歴
- 国立徳島大学歯学部卒業
- American Academy of Implant Dentistry
- Associate Fellow
- Astra tech implant インストラクター
- Osstem implant インストラクター
- 歯科医師臨床研修指導歯科医
資格・所属学会
- アメリカインプラント学会(AAID)
- 日本口腔インプラント学会
- 日本審美歯科学会
- 日本臨床歯周病学会
- 日本小児歯科学会
- 東京SJCD会員
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当院は難しい症例を含む多くの症例を経験しており、患者様の理想通りの治療をご提供できるよう、チーム一丸となって取り組んでいます。