矯正症例紹介

奥歯の埋伏歯開窓牽引と全体矯正

埋伏歯とは?

埋伏歯(まいふくし)とは、歯の全てまたは一部が、顎の骨や歯肉の中に埋まっている歯のことです。歯が完全に埋まっているものを「完全埋伏歯」、一部が見えているものを「半埋伏歯」といいます。

埋伏歯は必ずしも抜歯の必要があるというものではなく、問題がなければそのままにすることもあります。しかし噛み合わせや周囲の歯や骨に悪影響を及ぼす場合には治療が必要になります。

奥歯の埋伏歯の症例

10歳代後半男性の患者様です。他院で治療を受けておられましたが、他に良い治療法はないか?ということで来院されました。

前から数えて6番目の奥歯まではまっすぐ生えていますが、7番目が完全埋伏、8番目(親知らず)が半埋伏になっています。

パノラマレントゲン写真を見ると、完全埋伏の7番目の歯が、6番目の奥歯の根っこに向かって生えてきています。このまま放置すると、6番目の奥歯に悪影響を及ぼす恐れがありました。

カウンセリングの結果、まず、下の親知らず2本を抜歯して、完全埋伏の7番目の歯を「開窓牽引」することになりました。

開窓牽引とは?

埋伏歯を良好な位置まで引っ張り出すために、歯肉を切開して埋伏歯の表面を露出させて、そこに器具を付けて矯正する治療です。

親知らずを抜歯して歯茎を切開、中に埋伏歯(7番目の奥歯)が見えています。

歯茎の回復を待ってから、埋伏歯を引っ張り出す器具を装着します。

少しづつ埋伏歯が良好な位置に移動していきます。

全体の歯並びの矯正

もともと歯が生えるスペースが少ない患者様でしたので、小臼歯を抜歯して、全体の歯並びを整えました。

上の歯並びも整えていきます。

完全埋伏歯だった7番目の奥歯は良好な位置に移動しています。

Before

After

まとめ

  • 顎の骨や歯肉の中に埋伏歯がある人がいる
  • 埋伏歯は悪影響を及ぼす場合がある
  • 埋伏歯を良好な位置まで引っ張り出す開窓牽引という矯正術がある
  • 歯の生えるスペースが少ない人は抜歯して全体の歯並びを矯正することがある

埋伏歯の開窓牽引や全体矯正をはじめ、あらゆる治療計画にご納得いただけるようしっかりとカウンセリングいたしますので、きっと安心して治療を受けていただけると思います。

主訴
他院で治療を受けていたが、他に良い治療法はないか?ということで来院
診断名、主な症状
右下7左下7完全埋伏、右下8左下8半埋伏 右下7左下7を放置することによって右下6左下6の歯根を吸収したり、押されて歯列不正が進んだりしてしまう可能性がある
年齢 性別
10代後半 男性
治療に用いた主な装置
マルチブラケット装置(ラビアルブラケット)、リンガルアーチ
抜歯部位
上下顎小臼歯抜歯(右上4左上4右下4左下4)下顎両側半埋伏智歯抜歯(右下7左下7)
治療期間
3年
治療費
¥913,000-
リスクと副作用
金属アレルギーを引き起こす可能性がある
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る